金. 9月 20th, 2024

米メディア「ボイス・オブ・アメリカ」は,8月16日,中国の圧力に屈しない姿勢を示し,今後も米議員の訪台が続く可能性があると報じた。

ペロシ米下院議長の台湾訪問からわずか2週間で,米民主党のマーキー上院議員が団長を務める超党派の米議員団が台湾を訪問し,8月15日に蔡英文総統と総統府で会談した。

1 米議員団の訪台に対する中国の反応

中国国防部報道官は同日,「台湾独立派に誤ったシグナルを送り,米国が台湾海峡の平和と安定の破壊者であることを明らかにした」と非難し,台湾周辺の空海域で軍事演習を実施すると発表した。中国は,台湾への軍事圧力の「新常態化」を一段と強めている。

2 有識者の見解

楊永明・台湾国家安全会議前副秘書長は,「中国はペロシ訪台を口実に軍事演習をエスカレートさせ,“新常態”を作ろうとしているが,マーキー議員らの訪台はそうした動きを押さえ込もうという狙いがある。米台の政治的交流が不変であることを示し,中国が軍事的・外交的に台湾を封鎖しているとの印象を打破した」などと分析した。

カート・キャンベル米国家安全保障会議インド太平洋調整官は,米政府が近く,米台の貿易関係強化に向けた基本方針を発表すると予告している。

翁履中・米ヒューストン州立大学准教授は,「今回の議員団訪問は,中国が“一般的な”米台交流にも苛烈な反応を示すかどうかという『水温』を測るためのものだった」と分析した上で,「世界的なハイテク戦争が激化する中で,中国も台湾の半導体産業を必要としており,米中の競争は更に激化する」との見通しを示した。

李正修・台湾国家政策研究基金会副研究員は,「習近平は,台湾の民衆が中台の平和を前提に対等な話し合いを望んでいることを知るべきだが,中国が台湾政策を変えようとしないならば悲観的にならざるを得ない」と述べた。