台湾の北海岸に所在する「野柳地質公園」は、変わった形の岩がたくさん並んでいるところとして知られています。
では、変わった形をした岩はどのように作られたのでしょうか?
ここは600万年前までは海の底でした。
2500万年前から1000万年前の間、中国の福建省あたりの川から流されてきた土砂が積もって沈積岩になりました。この海の底にある沈積岩の上に貝や珊瑚、魚などが集まってきました。
その残骸が炭酸カルシウムとなって海底にたまり、大きな塊になっていきました。
長い年月をかけて沈積岩ができたので、その堆積物を見ると、どの年代にできた沈積岩なのかが分かります。
500万年前にフィリピン海プレートとユーラシアプレートがぶつかって、海の底の沈積岩が隆起し、海の上に出てきました。
数千万年前からある岩は硬くて浸食されにくいのですが、沈積岩は柔らかいので長い年月をかけて波や風に浸食されていきました。
そして今のように変わった形の岩が並ぶ岬になりました。
<野柳地質公園>
・住所:新北市萬里区野柳里港東路167-1号
・営業時間:08:00 – 17:00(7月・8月は09:00 – 18:00)
・入園料:120台湾元(現在のレートで約540円)
行き方:台北からバスでの移動がメインになります。國光客運バス1815路線、基隆客運バス953・1068路線など複数の路線があり、所要時間は1時間30分程度。
(連載#2に続く)
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)