「忠烈祠」は中華民国の建国や日中戦争、国共内戦などで戦没した約33万人の英霊を祀る施設です。
日本統治時代、この場所には「台湾護国神社」が置かれていましたが、1966年に神社が取り壊され、1969年、その跡地にこの「忠烈祠」が創建されました。
台湾には台北以外にも各都市に忠烈祠があります。
忠烈祠に衛兵として勤めているのは、台湾の軍隊の中でも選ばれしエリートの集まり。
身長は175cm以上、体重は64~66kgなどと厳しい制限もあり、約6kgもある重たい銃を長時間持ち続ける筋力や持久力も必要とされます。
衛兵交代式が行われる広場には、5本の線のようなものが見られますが、実はこれは長年衛兵交代式が行われてきたことによって出来たもの。
5人の衛兵が力強く歩くことにより、地面の色までも変わってしまったのです。
約6kgもある銃をクルクルと回転させるパフォーマンスや、衛兵同士で行われる一糸乱れぬやりとりは圧巻の一言。
無事に交代の儀式が終わると、新しい衛兵はそこから約45分間指一本も動かず、まるで蝋人形のように立ち続けます。
忠烈祠②に続く
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)