忠烈祠の敷地内で最も存在感のある建物が大殿。
遠くからでも目を引く赤色の屋根も圧巻ですが、ぜひ近づいて細部にも注目してみましょう。
カラフルで豪華な彫刻は思わず見入ってしまうほど美しく、非常に繊細な作りです。
この大殿は北京にある紫禁城の太和殿をモデルにしたと言われています。
忠烈祠のメインとなる建物の大殿の中央には、「国民革命烈士之位牌」と書かれた位牌が配置されています。
毎年春と秋に行われる慰霊祭の時には、台湾(中華民国)の元首である総統が訪れ、ここで慰霊祭を執り行います。
大殿の両脇にある「武烈士祠」と「文烈士祠」には、戦線で戦没した将軍や兵士たちの霊碑が収められております。
戦死者や軍人だけを祀る日本の靖国神社とはそこが異なりますね。
忠烈祠に祀られている人物は中国人に限らず、「革命に倒れた唯一の日本人」とされる山田良政の霊碑も見ることができます。
青森県の弘前市に生まれた山田良政は、通訳として陸軍に従事。
その際に孫文と運命的な出会いを果たし、その後の革命運動を支援しましたが、辛亥革命で命を落としました。
現在も東京の谷中に彼の慰霊碑がありますが、それは孫文が東京を訪れた際に建てたものとされています。