野柳地質公園は、台湾の北海岸を代表する観光スポットです。海岸の自然をいかした公園で、台湾で最初のジオパークに指定されました。
同公園は、ユネスコのジオパークの基準に合わせて管理されており、静岡県伊豆半島、長野県浅間山、山口県秋吉台など、日本にある8か所のジオパークと締結を結び、協力して研究を進めています。
地図で見ると亀のような形をして海に突き出た岬になっています。
1,700mもの長い岬に波や風で浸食されて様々な形になった奇岩がたくさん並んでいるのは、ここ以外ではなかなか見ることができない絶景です。
人間の背の高さをはるかに超える大きさの岩も多く、まるで小人になって不思議の国に迷い込んだような気分にもなります。
岩に近づいてよく見ると、貝や魚、昆虫の化石も見つかります。
名前のついた岩もたくさんあります。入口を入ってすぐの第1エリアには、キノコ岩、ハチの巣岩、生姜岩、豆腐岩などがあります。
その奥の第2エリアには、「クレオパトラの頭」とも呼ばれるクイーンズヘッドや天女の靴、竜頭石、象の岩、さらには、おっぱいの岩と呼ばれるものもあります。
大自然がつくった芸術作品がたくさん並んでいますが、なかでも一番人気がクイーンズヘッド(女王の頭)です。
首の細い部分は、わずか周囲138㎝しかなく、あと数年で折れてしまうと言われています。
是非、皆さんには、首が折れる前に実物をご覧いただきたいと思います。
(連載終わり)
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)
※ジオパークは、地質学的重要性を有するサイトや景観が、保護・教育・持続可能な開発が一体となった概念によって管理された、単一の、統合された地理的領域のことです。