①から続く
タロコ峡谷に入って最初にご案内するのは長春祠です。
道路の工事で犠牲になった霊を弔うために、1958年に建てられました。
私たちが現在このようにタロコ峡谷の美しい自然に身近に触れることができるのは、彼らの汗と涙の結晶のおかげなのです。
祠の前には長春滝が流れています。
タロコ峡谷を奥の方に進んでいくと、一番の見どころの燕子口があります。
絶壁の両サイドを見ると浸食された穴がたくさん空いています。
ツバメが巣を作るのに丁度いい場所なので、春や夏になるとツバメがたくさん飛んでいてとてもきれいな眺めになります。
こうした様子から燕子口と名付けられました。
また、ここはタロコ峡谷で幅が最も狭いところなので、風が下から上に吹く上昇気流が発生している珍しい場所でもあります。
ここは歩きながらゆっくり見学できるように、200メートル近くの長さの歩道が整備されました。
浸食された穴の口が上を向いているのは、流れてきた石が突き当たってできた穴です。
穴が下を向いているのは、岩の中に水が浸食してできたものです。
これらの穴にツバメがたくさん巣を作ります。
さらに奥に行くと、インディアンの横顔にそっくりな岩があります。
燕子口の歩道を通り過ぎると大きな壁のような岩が見えます。
これを錐麓大断崖と呼んでいます。世界で最も大きい一枚の岩です。長さも高さも600メートルくらいあります。
550メートルの高さのところには、昔からある細い道があります。
今は錐麓古道と言われ、古道から下を見るととても高いので、足がガタガタ震えてしまいます。
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)