金. 9月 20th, 2024

台湾の小吃(伝統的な軽食)を代表する担子麺(タンツーメン)の名店「度小月」は1895年に台南で創業されました。

台湾では、収入がよくない時期を俗に「小月」と呼びます。創業者の洪氏の先祖は普段、漁で生計を立てていましたが、毎年夏の台風の時期は海に出て漁をすることができないため、家族を養うために麺を売って「小月」を過ごしていました。

最初は天秤棒を担いで街で売り、露店の前に吊るした灯籠には「度小月担子麺」という文字が書かれていました。

小量の麺の上に独特な味の肉そぼろをのせた担子麺は、大衆に広く受け入れられました。「度小月担子麺」は店の看板になり、現在、第4世代に渡って営業を続けています。

天秤棒で担いで売られていた担子麺

台南担子麺は始め「菓子」に分類されていました。戦後初期の頃、台湾の本省人たちの主食は米でした。小麦粉の価格は米よりはるかに高く、小麦粉は副食品に属し、当時は富裕層だけが食べる機会がありました。

その後、1950年代初め、アメリカからの援助や駐留米軍が台湾に到着しまたした。それと同時に大量の小麦粉がアメリカから運ばれて、安価な主食となり、小麦粉製品が台湾で普及しました。アメリカから小麦粉が大量に入ったことによって、担子麺は台湾国民がよく食べる麺料理となったのです。

現在、台南地域には多くの担子麺の店があります。

担子麺は台湾総統府の国賓晩餐会にも提供される台湾を代表する小吃となりました。

肉そぼろを絶えず煮込むため鍋は真っ黒に

執筆:台湾人ガイド 徐啓祥