金. 9月 20th, 2024

太魯閣(タロコ)国家公園は断崖絶壁で迫力のある峡谷として有名なところです。

ではこの峡谷はどのように作られたのでしょうか?

台湾のほぼ真ん中を北から南にかけて中央山脈という山脈があります。

この中央山脈はタロコ峡谷がある花蓮というまちの付近では大理石でできています。

台湾は、今から2億3,000万年前は、ユーラシアプレートと、フィリピン海プレートの間の海の下にあり、まだ島になっていませんでした。

その後、1億年以上もの長い年月をかけて微生物の死骸が海底に積み重なり、8,000万年前に海底火山が噴火して噴き出したマグマと混ざり合って、変質した炭酸カルシウムになりました。

500万年前には、フィリピン海プレートが、ユーラシアプレートの下に入り込んだ後、二つのプレートが一緒に隆起し、ユーラシアプレートは中央山脈になり、フィリピン海プレートは海岸山脈になりました。

海底にあった変質した炭酸カルシウムは隆起して山の岩石となり、これが大理石になりました。

大理石の範囲は長さ20km、幅は17kmもあります。

500万年もの長い時間をかけて、大理石の山が川の水に浸食されて、アルファベットのUの字のような断崖絶壁になりました。それが今のタロコ峡谷なのです。

台湾の島の真ん中には中央山脈があるので、台湾の西側の台中と東側の花蓮を結ぶ道路がありませんでした。

移動が不便なのでこの二つのまちを結ぶ道路を作ることになり、1956年から工事を始めました。

毎日5,000人以上も動員され、峡谷の断崖絶壁の中腹の崖を削り穴を掘り、ダイナマイトを使って硬い岩を爆破させながら工事を進めていきました。

4年後の1960年にやっと全線が開通しましたが、山崩れも多く工事はとても危険で226人の人が命を落としました。

東西橫貫公路にあるタロコ入り口の牌楼と呼ばれる門から、タロコの終点の天祥というところまでの、17.4kmのあいだは素掘りのトンネルが続いています。

東西橫貫公路にあるタロコ入り口の牌楼
タロコ入口の石碑

太魯閣(タロコ)国家公園(花蓮県)②に続く

アクセス:花蓮駅からバスを利用

「太魯閣入口」で下車。

執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)