ハヤシ百貨店は、昭和7年(1932年)12月5日、当時「台南の銀座」と呼ばれた屈指の商業エリア「末広町2丁目」(現在の台南市中西区忠義路二段63號)で創業した百貨店です。
ハヤシ百貨店は、山口県出身の実業家・林芳一氏によって創立され、建物は鉄筋コンクリート構造で別名「五層楼仔(五階建てビル)」とも呼ばれました。
そのモダンな空間設計や最先端の工法などを取り入れたハヤシ百貨店は、雲林、嘉義、台南エリアで唯一エレベーターを擁する百貨店でもあり、当時台北にあった「菊元百貨店」と肩を並べる存在でした。
しかし、太平洋戦争で米軍の空爆を受けて廃業し、一時期、国民党の事務所として使用された時期もありましたが、長らく廃墟同然の状態でした。
そんなハヤシ百貨店が復活したのは、1998年に台南市政府によって指定古跡に認定されてからです。
台湾市政府は、2006年に徐裕健建築土事務所に保存修理や建物の再利用に関する設計監理案務を委託し、常詠営造有限会社が施工を担当し、2013年に竣工しました。
こうして、新たなハヤシ百貨店は、2014年6月14日に経営事業の委託業者である高青時尚株式会社がプロデュースした文化と創意をテーマとして、リニューアルオープンしました。
住所 | 台南市中西區忠義路二段63號 |
電話 | 06 221 3000 |
営業時間 | 11:00-22:00 |
アクセス | 台湾鉄道台南駅から1番、7番バスに乗り「林百貨(中正路)」下車 |
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)