三川殿の右側壁には、日本統治時代にあった「台湾日日新報」という新聞社の記者だった尾崎秀真という人の名前と、彼が書いた漢文の詩が彫刻されています。
当時の台湾総督は古跡の保存にも力を入れており、尾崎秀真は台湾の文物の調査と整理を担当していました。
龍山寺の入口にあたる右手の門は龍門、出口にあたる左手の門は虎門と呼ばれています。
虎門は災いの門とされているので、必ず右の龍門から入って、左の虎門から出てください。これは昔からの習慣となっています。
正門にあたる山門は、三川殿と呼ばれており、この三川殿の真ん中の天井は「三川藻井」と呼ばれています。
藻井とは、日本の格天井のように、天井に色々な模様や彫刻などの飾りをつけているもので、細工が何層にも重なって蜘蛛の巣が美しく広がっているように見えます。
正殿の天井にも藻井があります。龍が螺旋の形を描いて天に昇って行く様子が上手に表現されています。これは仏教の輪廻転生という考え方を表現しています。
正殿にも龍が彫られた柱が6本あります。いずれも石の一本彫りでできています。一本の柱を彫るだけで何年もかかる貴重なものなので、これらは鉄の柵で保護されています。龍山寺は国の重要な文化財であり、まるで美術館のようです。
このお寺で若い人に一番人気があるのは、こちらの縁結びの神様月下老人です。左手に巻物を持っていますが、ここには誰と誰が結婚するかが書かれています。
独身の人に赤い糸を渡して、結婚できるように手助けをしています。日本で「赤い糸で結ばれている」という表現がありますね。台湾でも同じです。この神様は願いが叶うと評判で、たくさんの人がお参りに来ています。
台湾を旅行の際には台湾最強のパワースポットと呼ばれている龍山寺に足を運び、運気を上げてみてはいかがでしょうか。
執筆:徐啓祥(台湾人ガイド)