金. 9月 20th, 2024

ドイツの公共メディア「ドイチェ・ベレ」は,6月11日,バイデン米大統領による「米国は台湾有事に軍事介入する」との発言は恫喝ではないとする有識者の論評を掲載した。主な内容は,以下のとおり。

バイデン米大統領は,5月の訪日期間中に発言を行ったが,その後,本人やブリンケン国務長官が米国の「一つの中国」政策に変更はないと否定していた。

米国にとって台湾は,第一列島線の中国の喉元にあり,台湾を失えば米国はグアムまで下がらなければならず,第二列島線まで危うくなる。

こうした地政学的価値のみでなく,台湾は重要な経済体でもあり,サプライチェーンでもある。

台湾が中国に持ち去られた場合,その日から米国の覇権的地位は墜落し始めるであろう。

もし,中国が台湾侵攻を始めたら,米国は派兵するであろう。米国の国益から見ても,傍観や経済・武器支援だけを行うことはしないだろう。国力や軍事力から言えば,あと10数年は米国の方が中国よりも強いであろう。

しかし,米国が台湾を放棄した場合,中国との直接戦争は避けられても,大部分の同盟国は米国は信用できない国として去り,米国は長期衰退に陥る可能性がある。

バイデン大統領の発言は,自身の内面の考え方を反映したものであり,中国に対する恫喝と考えるのは間違いなのである。