月. 10月 12th, 2026

前編に引き続き、林社長にお話をお伺いします。後編では、林社長から見た「日本と台湾」について深掘りしていきたいと思います。

日本と台湾で「ここは似ている」と感じる部分はありますか。

似ていると感じるのは、日常で目に入るものがかなり重なっていることです。「すき家」や「やよい軒」のようなチェーン店は台湾にも店舗があって、台湾での生活の中でもう当たり前の存在ですし、コンビニでも日本からの輸入商品が買えます。ネットではなおさらで、日本のアニメやドラマ、芸能人の情報は台湾でも簡単に手に入り、生活の一部になっています。

台湾でも日本のコンテンツは大人気なんですね!逆に違いを感じる部分はありますか。

違いを一番感じるのは「人と人との距離感」ですね。物理的な距離と付き合い方の距離、両方あります。物理的な距離でいうと、エスカレーターに乗るとき、日本では自然と一段空けて立つ方が多いですが、台湾ではほぼ次の段にぴったり立ちます(笑)。

付き合い方の距離も台湾は近くて、例えばレストランで並んでいるときに、前後の知らない人と「ここ、何がおすすめですか?」というふうに話し始めることも珍しくありません。日本ではこういうことは滅多にないですよね(笑)

民族性の違いは面白いですね!次は、日本と台湾の好きなところをそれぞれ教えてください。

日本については「丁寧さ」が好きです。この前、太宰府天満宮の本殿が改修中で、後ろに仮の囲いが立てられていたのですが、その囲いには本来見えるはずの風景そっくりに絵が描かれていました。その絵は、本殿の背後にある木の位置まで、本来の風景に合わせて描かれていて、非常に驚きました。写真を撮るときも、よく見ないと板だと気づかないくらいでした。観光地でも、体験できる仕掛けや季節の装飾を用意することが多くて、旅程そのものが豊かになりますね。

日本の細やかな配慮が伝わったようで嬉しいです。台湾の好きなところはいかがですか。

台湾については「ゆるいわりに効率的」という、ちょっと矛盾した感じが好きです。「ゆるい」というのは、人の目をあまり気にしなくてもいいということです。だから台湾では歩きながら食べるのも普通です。

その一方で効率も求めるので、たとえば財布をなくしたとしても、警察に届けてから身分証、健康保険証、運転免許証、クレジットカードの再発行まで一日で全部終わります。落とし物の身分証を拾った人がSNSで持ち主を探してあげることもあって、実際にそれで見つかった例もたくさんあります。

日本での台湾人同士の交流やコミュニティはありますか。

台湾人のLINEグループがあって、生活で困ったことがあればそこで質問して、みんなで助け合っています。たまに食事会もありますね。

異国での助け合いは心強いですね。日本で起業するにあたって大変だったことはありませんか。

日本の税制や労務関係のルール、在留資格の手続きなど、制度面への対応は大変でしたね。不慣れなことで問題が起きないよう、顧問税理士や社会保険労務士、行政書士といった専門家の力をしっかり借りて対応しています。

また、社外との商談の進め方も課題の一つです。日本に拠点を設ける台湾企業の中には「日本語を話せる台湾人を採用すれば十分」と考える企業も少なくありません。しかし実際には商習慣に大きな違いがあります。日本語ができるだけでなく、日本の文化や商習慣をよく理解している人がいてこそ、ビジネスを円滑に進めやすくなると感じています。

私自身、今後、日本と台湾の交流がより盛んになると良いなと思っていますが、そのためにはどうしたらいいと思いますか。

最近、台湾祭のようなイベントが増えているのはとても良いことです。まずは「食」など身近で親しみやすいものを入口にすることで、交流のきっかけが生まれやすくなります。

さらに活発にしていくためには情報発信にも力を入れ、どのような取り組みが行われているのかを多くの人に知ってもらう必要があります。また、ワークショップや体験講座など、もう一歩深く知ることができる企画を取り入れることも大切です。

深く知ろうとする人たちが将来は自ら魅力を発信し、交流を広げてくれる存在になります。その結果、交流が新たな発信を生み、その発信がさらに次の交流につながるという「持続的な循環」を作ることができればと思っています。

ぜひそうなると良いですね。最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いいたします!

台湾に興味がある方は、機会があればぜひ一度、観光地ではない場所にも足を運んでみてほしいです。最近、日本を訪れる台湾の方は地元の人が普段利用するお店に行ったりして、その土地の日常を体験するようになっています。台湾も同じで、台北など有名な街から少し足を延ばすだけで、より日常に近い台湾の姿が見えてくると思います。

日本に住んでいる台湾の方へ、福岡で会社を立ち上げてまだ2年ほどですが、最も大切なのは「広い視野と柔軟な心を持つこと」だと思います。さまざまな違いを理解し、多方面から得られる情報や考え方を受け入れながら学ぶ姿勢を持ち続けることです。そうすることで、人生はより豊かで面白いものになると思います!

林社長、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!

本日インタビューした林社長が手掛ける「(株)NOMADSS」及びメディア「福寶(FUKUGEM)」のサイトは以下からご覧ください!

NOMADSSサイト:https://nomadss.co/

     福寶サイト:https://fukugem.com/