木. 9月 19th, 2024

2024年台湾在日福岡留学生会会長を務める劉怡貞さんに学業や日本での生活について、お話を伺いました。

本日はよろしくお願いします。まずはじめに劉さんの専攻をおしえてください。

私は現在、九州大学大学院の修士課程に在籍して、経済工学を研究しています。経済工学は、聞き慣れない言葉だと思いますが、この経済学の特徴は、より数量的なアプローチに重点を置いている点です。現実経済を観察し、理論モデルを設定し、計量的分析や情報技術(IT)の活用といった幅広いアプローチによって、現代の複雑化する経済問題を科学的に解明する先端的な研究領域になります。平たく説明すると理系の経済学と言えます。

なんだか難しそうですね。具体的にはどのようなことを研究されているのですか。

私が在籍するゼミはマクロ経済が専門です。私は、少子高齢化が進む日本の中で、その役割が再注目されている外国人労働者問題に焦点を当てて研究しています。外国人労働者の技術熟練度、コミュニケーション能力などの賃金に与える能力等を計量化して、国の経済発展にどの程度寄与するのかを解析しています。こうした外国人労働者に関するデータは、日本政府が公表する最新のデータを使用します。また、計量的な分析を行うため、AI(人工知能)やITの研究も併せて行っています。

これから重要になる研究分野だと思います。専攻した経緯はなんでしょうか。

私は台湾の大学で不動産、都市環境学及び経済学を学びました。大学4年生のときに実験経済の研究アシスタントを務めたことをきっかけに、経済学と日常生活はとても近いということを改めて認識しました。と同時に「経済の世界を勉強したい。理解を深めたい」との意欲が湧いてきました。その時から日本に留学したいと思っていましたが、大学を卒業した2020年は新型コロナが世界的に流行していた時期で、留学できる状況ではありませんでした。そのため、大学卒業後にゲームやAIなどを開発する台湾のIT企業に就職して2年半ほど働きました。その後、コロナが落ち着てきたので、日本留学を決めました。IT関係の仕事をしていた経験から、もっと数学的に分析した経済の研究をしたいと思い、経済工学がある九州大学に進学しました。

劉さんは日本語がとても上手ですが、台湾の大学で学んでいたのですか。

日本に来る前に約1年半の間、自己学習を行っておりました。しかし、台湾で日本能力試験N2に合格したのに、日本に来た当初はあまり喋ることができませんでした。そこで、はじめに埼玉県熊谷市の日本語学校で半年間、日本語を勉強しました。それから九州大学に進学しました。

2024年度台湾在日福岡留学生会会長に就任されましたが、その抱負を教えてください。

ここ数年、コロナの影響により当留学生会主催のイベントが少なくなりました。ようやく通常の生活が戻ってきたので、今年は様々なことを企画したいと考えています。地方自治体と協力して台日交流イベントや、台湾の食べ物などのブースを大学祭で出店するなど、留学生や地域住民が楽しめるイベントを実施したいと思います。今年の留学生会役員6人で協力して盛り上げていきます。

後半に続く