7月1日付けの米メディア「ボイス・オブ・アメリカ」によると,ロシア当局は1日,ノボシビルスク州立大学の物理・数学博士ドミトリー・コルカー(54歳)を中国に国家機密材料を提供した国家反逆罪容疑で逮捕した。
コルカー博士は量子光学実験室の責任者であり,ロシアの国家反逆罪は最高で懲役12~20年の刑となる。
米中関係の悪化に伴い,中ロが接近し,今年2月のプーチン大統領の訪中の際には,国際社会に向けて,中ロの友好には上限がないと宣言するなど,現在の中ロ関係は,かつての中ソ友好時代に次ぐ親密な段階に入ったとみられている。
しかし,中国の情報機関は,ロシアからの技術情報収集を継続させており,今年に入ってからも複数のロシア人科学者が同様の容疑で逮捕されている。
また,今年5月には,イスラエルのセキュリティ企業が「ロシアの多くの軍需産業が中国当局の支持するハッカー組織の攻撃目標となっている」と報告している。