2025年1回目のインタビューは、2025年台湾在日福岡留学生会会長に就任された李劉さんに学業や日本での生活についてお話を伺いました。
お名前と大学で専攻している分野について教えてください。
私は李劉晟と申します。現在、九州大学情報理工学の博士課程1年で、IoTやAIを用いた行動認識技術に関するモバイルアプリケーションの研究などを行っています。
李劉晟さんは姓が李劉だと伺いましたが、李劉さんは台湾では一般的な名字ですか。
李さんや劉さんは台湾では一般的な名字ですが、李劉という名字は少ないほうだと思います。
そうなんですね。では、続いて李劉さんが日本に留学した経緯についてお伺いしてもよろしいですか。
はい。私は台湾の大学を卒業後、中国の北京大学に留学してAIを学びました。北京大学では修士号を取得し、そのまま中国のIT大手に就職が決まっていました。しかし、そのタイミングで、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したため、中国での就職を諦めて台湾に戻ることにしました。
台湾では大手電子機器メーカーでシステムエンジニアとして3年働きましたが、chatGPTに代表されるように発展の目覚ましいAI分野をもう一度学び直したいと考えて、九州大学の荒川豊先生に連絡を取り、2024年春から研究室に受け入れてもらいました。
李劉さんが所属する荒川教授の研究室について教えてください。
荒川先生の研究室は、実世界からのセンシング技術とクラウドでのデータ処理技術、その間を結ぶネットワーク技術という情報領域の多様な技術を組み合わせた、人に寄り添うサイバーフィジカルシステムに関する研究を行っています。
研究室は学部生を含めて50人ほどが在籍する大所帯です。出身国別の割合は、日本6割、中国3割、その他1割ほどです。
荒川先生は、研究の相談はもちろんですが、日本での生活やプライベートな相談まで親身になって対応してくださる、とても良い先生です。
北京大学に留学されていたという話ですが、中国での勉強や生活はいかがでしたか。
中国のビッグデータ産業は当時から大きなものでした。最近話題のDeepSeekもそうですが、中国のAI研究分野は非常に高いレベルにあると思います。中国で学んだ3年間は私にとって良い経験になりました。
生活面では北京の家賃が高く、狭いところにしか住めなかったので居住環境は良いとは言えませんでした。しかし、他方で美味しいものが多かったため、楽しく生活できました。
インタビュー#9‐②に続く