木. 10月 9th, 2025

#14-①から続く

続いて、子育てのお話を伺いたいと思います。半年前に第二子が生まれてから、生活はどのように変わりましたか。

子どもが1人増えるだけで何倍も忙しくなりました(笑)日本で子育てを行う中で、台湾の子育てとの違いにいくつか気づきました。

日本は、平均的に育児休暇期間を1年くらい取得すると思いますが、台湾の休暇期間はだいたい4、5か月です。台湾では、平日はベビーシッターや祖父母に子どもを預ける習慣があるので、保育園に入れるのが主流の日本に比べて育児休暇が短くて済むのだと思います。

日本人からすると4、5か月は短く感じます。ほかに、台湾と日本で異なる点はありますか。

日本は、台湾に比べてテイクアウトできる店の数が少ないため、親の負担が大きいように感じます。というのも、外食文化の台湾では、必ずしも親が1日3食作るわけではありません。通学前の朝ごはんも朝ごはん屋で買うことが多いです。一方、日本人にとって外食は頻繁にするものではなく、親が子どもにご飯を作るのが当たり前になっているので、その点、差があるなと感じます。日本の親たちが、夏休みなどの長期休暇前になると「明日から大変だ」と言っているのをよく聞きます(笑)子どもが長期休暇に入ると、給食がないため昼食も親が作らなければなりません。私の友人は、「ご飯を作っているだけで1日が終わった。」と言っていました(笑)

たしかに、ご飯を作るだけで1日が終わってしまうと他のことに手が回らないですね。文化の違いと言えば、前回のインタビュー時に台湾の産後ケアについて紹介されていましたね。陳さんは産後ケアを受けたことはありますか。

はい。台湾では、「座月子(ズオユエズ)」といって、産後1か月間を安静に過ごして母体の回復を重視する産後ケアの文化があります。私は、振り返ってみると第一子の時、産後ケアが十分ではなかったために大変な思いをしたため、第二子出産後は、台湾から産後ヘルパーを呼んで1か月間、体をしっかりと休めることができました。産後ヘルパーには、1か月間、私(母親)と赤ちゃんの食事、そしてオムツ替えやから寝かしつけまでのお世話をしてもらいます。

産後ヘルパーは、1か月間、住み込みで働くのですか。

はい。産後は、ホルモンバランスが崩れ精神的にも不安定になるため、産後ヘルパーとの相性が良くないと過酷な1か月になります。台湾の産後ヘルパーは、アメリカやカナダなど海外にもサービスを展開しているので、中華圏の利用者が多いです。最近では、日本の関東地方にも産後ケアセンターが設立されたそうです。日本では、産後ケアの重要性が広く知られていないと思いますが、台湾では産後ケアをしっかり行わなければ、将来、体に支障をきたすと言われています。産後1か月のケアは本当に大事なので日本のママさんにもオススメです!!

日本にも産後ケアの施設があるのですね。最後になりますが、陳さんが子育てをする上で、大事にしていることはありますか。

はい。私は、台湾出身の両親と幼少期から日本で生活し、長期休暇の時は台湾に帰省もしていましたが、基本的には日本の学校に通っていました。それでも、中国語(台湾華語)を話すことができます。私の子どもたちも、生まれは日本ですが、台湾と日本のハーフなので中国語も話せるようになってほしいと思っています。義父母が子どもたちに日本語で読み聞かせを行うなど、私以外の家族が日本語を教えてくれるので、私は子どもたちに中国語で話しかけたり、読み聞かせをしたりしています。言語は、少しでも使わなくなるとすぐ忘れてしまいます。将来は、子どもたちを日本の学校に通わせる予定なので、家ではできる限り私が中国語でコミュニケーションを取り、どちらの言語も話せるようなバイリンガルに育てていきたいです。

陳さん本日はお忙しい中ありがとうございました。